ストレスが原因で抜け毛になることはありますか?
2017.12.10
この記事はこんな方におすすめです。
- 抜け毛に悩んでいる
- ストレスと抜け毛の関係を知りたい
- 抜け毛の原因と改善方法を知りたい
多くの方が悩む「抜け毛」。抜け毛はストレスが強くかかると起こる、と聞くこともあるのではないでしょうか。
精神的なストレスは、かかると身体に大きな影響を及ぼします。抜け毛もまた、ストレスによって引き起こされることがあります。
抜け毛とストレスの関係性について、本日は、ストレスがなぜ抜け毛を引き起こすのか、ストレスによる抜け毛を復活させるにはどうすればいいのか、ストレス性の抜け毛が女性に多いのか、などについてお話しいたします。
ストレスをためないようにしなくっちゃ!
抜け毛は復活するのでしょうか?
ストレスで引き起こってしまった抜け毛は復活するのでしょうか。
髪の生産工場である「毛球」は、ストレスがかかったりして栄養や血行が不足するとその活動を止めてしまいますが、眠ってしまうだけで決して死んでしまったりはしません。
原因を取り除き、頭皮のケアをきちんとしてやれば、また働き出して髪を生産していってくれるでしょう。
そもそも、ストレスはなぜ抜け毛を引き起こすのでしょうか。
ストレスと一言で言っても、精神的な内的ストレスと、頭皮環境に直接トラブルを与える外的ストレスがあります。
外的ストレスには、強い紫外線や冷房、パーマやヘアカラーといったものがあげられます。特に夏は外的ストレスが強く、そのストレスを受け続けた髪が、夏を超えた頃に抜け始める、ということもあります。
季節的な抜け毛は外的ストレスによることが多いでしょう。
一方で、精神的なストレスである内的ストレスを人間が感じると、以下のようなことが体内で起こります。
- 1.亜鉛不足
- 2.自律神経の乱れ
- 3.男性ホルモンの分泌亢進
亜鉛不足
健康な髪を作るために必要な亜鉛ですが、ストレスを感じるとこの亜鉛が体内で大量に消費されます。そもそも、亜鉛は亜鉛不足がストレスを悪化させるとも言われており、ストレスと亜鉛不足は密接な関係であると言えます。亜鉛は髪の主成分であるアミノ酸を合成する大切なミネラルで、亜鉛が不足すると抜け毛になりやすいだけでなく味覚障害や骨粗鬆症といった病態が現れたりもします。
また、亜鉛不足は皮膚バリアを弱くし、酵素を減少させることからも、抜毛対策には必須の栄養分です。
亜鉛はストレスだけでなく、喫煙やアルコールの過剰摂取、インスタント食品などの加工食品の過剰摂取でも失われてしまいます。
また、強いストレスがかかると自律神経が乱れるのも抜け毛の原因となります。
自律神経は呼吸や体温調節、ホルモンバランスなどヒトの生命維持を行なっている重要な器官です。
自律神経には、副交感神経と交感神経がありますが、この2つの神経は常にバランスをとりながら働いています。
なぜ自律神経と髪が関係あるのか?
毛球は沢山の毛細血管に囲まれた中にあります。言わば、鳥かごの中に毛球があるイメージです。毛細血管には自律神経が張り巡らされていますから、ストレスの影響を非常に受けやすいのです。
自律神経の乱れ
交感神経はヒトが活発に動いている時や緊張状態にある時に働き、副交感神経はヒトが休んでいる時やリラックスしている時に働いています。強いストレスがかかると体は緊張状態になり、交感神経が優位に働き続ける状態となります。
その結果、自律神経のバランスが崩れてしまい、血圧が乱れたり血管が収縮したりします。ひどくなると動悸がする人もいるでしょう。
この状態は頭皮にも影響を与えてしまいます。頭皮は硬くなり、血行不良となります。頭皮に血液がうまく運ばれないと、栄養不足にもなります。
その結果、髪にきちんと栄養と血液(酸素)が行き渡らず、抜け毛となってしまうのです。
他にも、強いストレスを感じると睡眠不足になることもあります。この睡眠不足も髪の育成にはよくありません。
午後10時から午前2時の深夜帯を「ゴールデンタイム」と呼びますが、この時間帯には心身ともにリラックスできていると、髪が健康に美しく育つとされています。
強いストレスを受けることで、円形脱毛症や、自分で髪をちぎったり引き抜いてしまう抜毛症という病気も存在します。
円形脱毛症は、一部の髪が円の形にごっそりと抜けたり、る広範囲に渡って様々な形に髪が抜け落ちる皮膚疾患です。
一部では自己免疫疾患とも言われていますが、ストレスや特殊なアレルギー、内臓疾患などもが原因ともされています。
また、自分で髪の毛を引き抜いたりしてしまう抜毛症(抜毛癖)は精神疾患とされています。
こちらも、強いストレスが原因とも言われています。
一概にストレスだけが原因とは言えないこともありますので、まずは医療機関に相談するのがよいでしょう。
強いストレスにさらされて抜けてしまった抜け毛は、ストレスを改善すれば復活します。
髪の毛を生成し育成する「毛球」は眠ることはあっても寿命がこない限り、死ぬことはありません。
ストレスを取り除いて毛球がきちんと働けば、髪はまた生えてくるでしょう。
しかし、髪は生えてくるサイクルがあります。少なくとも半年から1年はかかるでしょう。
ストレスの発散をするだけでなく、睡眠や食事といった生活習慣も見直せるのがよいですね。
男性ホルモンの分泌亢進
さらに、強いストレスを感じると男性ホルモンの分泌が増えます。これは前述した自律神経の乱れによってホルモンバランスが崩れるせいでもあります。
通常時、女性も少なからず男性ホルモン(テストステロン)を分泌していますが、この男性ホルモンが増えると皮脂の分泌が増えます。その結果、オイリー肌になったり毛穴に脂が詰まりやすくなったりします。
また、女性でも男性ホルモンによる薄毛になることがあります(女性男性型脱毛症・FAGA)。
生え際が気になる!
ストレスを受けても抜け毛にならない対策はありますか?
いストレスを受けても抜け毛にならないようにするために、生活習慣の改善、頭部のマッサージと並行して、育毛剤で血行促進をするという方法があります。
育毛剤は今ある髪に働きかけて弱った髪や毛根の改善を促すものです。
よく、一緒にされてしまいますが、名前の似ている「養毛剤」は、抜毛防止などの為に、髪に栄養を与えるもの、「発毛剤」はこれから生えてくる髪の為に体内からの発毛そのものを促すもの、「育毛剤」は今ある髪に働きかけて弱った髪や毛根の改善を促すもの。
強いストレスによる抜け毛が結果として血行不良によるものならば、この場合は育毛剤を使うとよいでしょう。
とは言え、ストレスを感じ続けていることは決していいことではありません。
ストレスは頭髪にのみならず、身体の色々なところに影響を与え、場合によっては生命をも脅かす病にかかってしまうこともあります。
ストレスそのものを取り除かないと意味はないですし、育毛剤を使えば全てが解決する問題でもありません。
ストレスの解消に努める、喫煙やアルコールを控える、食生活や生活習慣を改善する、有酸素運動をしたり睡眠不足を解消するといったことを行い、ストレスを発散と血行不良改善を心がけましょう。
温泉はストレス解消に効果的ね!
ストレスによる抜け毛と髪が薄くなる抜け毛の違いは?
ストレスによる抜け毛はストレスがかかると、ストレスを感じた時期から約3~4か月後から特に多く抜け始めます。
夏を越したころに毛が抜けることが多いのは、夏の紫外線や冷房といった外的ストレスに髪がさらされていた証拠です。
もちろん、内的なストレスを受けても、ストレスを受けた後に抜けていく場合はストレスによる抜け毛と言えるでしょう。
ストレスによる抜け毛は短いスパンで影響が髪に出やすくなります。
一方、髪が薄くなる抜け毛は加齢であることが多く、男性ホルモンによる脱毛症の男性型脱毛症(AGA)であることも多いでしょう。
ストレスによる抜け毛は亜鉛不足や血行不良が主な原因であるのに対し、AGAはホルモンバランスの乱れが原因です。また、AGAは遺伝や加齢によることが原因であることもあります。しかし、どちらもストレスが起因になっていることもあります。
AGAの場合はホルモンの影響を受けるので、薄くなっていく箇所が決まってくることが多いです。
また、ストレスによる抜け毛の場合はストレスを取り除いてやれば改善もできますが、AGAの場合は遺伝的因子か生活環境的な因子かで専門家の間でも意見が割れているようです。
また、AGAに対しては専門医療機関で処方してもらえる「フィナステリド」(商品名プロペシア)という処方薬がありますか、ストレスによる抜け毛に対する処方薬はありません。反対に言えば、ストレスによる抜け毛はストレスを取り除いてやること、ストレスを発散することが1番の特効薬ということになります。
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ストレス性抜け毛は女性の方が多いのでしょうか?
近年では以前に比べると若い女性(20~30代)が抜け毛に悩まされるようになったと言われています。この多くの原因がストレスだとされています。
もともと、「抜け毛」「薄毛」「ハゲ」は男性の悩みの代表選手のようなものでした。少なからず老年になると男性の髪は少なくなるもの、のような考え方もあったかと思います。
女性が社会に出るのが当然になった現代社会では、女性もまたストレスを抱え込みやすくなりました。
また、育児と家事、仕事の両立もストレスの一因と言えます。
ストレスがかかるとホルモンバランスが崩れ、男性と同じく女性もまた起こり得ます。
AGAは「男性型脱毛症」の名前の通り男性に起こる脱毛症であり、男性ホルモン(テストステロン)がジヒドロテストステロン(5αDHT)に変成して薄毛や脱毛を起こします。
女性にも少なからずテストステロンは分泌されますが、通常であれば問題のない量が分泌されています。
しかし、多忙や精神的不安などからくるストレスがかかると、ホルモンバランスが崩れてテストステロンが多く分泌され、多くが5αDHTに変成してしまうのです。
そもそもテストステロンは、いわば男性的な「外敵と戦う」ためのホルモン。太古の昔はともかく、現代社会では女性もテストステロンの力を借りてストレスと戦っています。テストステロンが優位に働く局面が増えれば、それだけ変成が進みやすくなるのも当然なのです。女性の社会進出が当たり前になるにつれて、早い時期から薄毛や脱毛の悩みを訴える女性が増えてきたのも否定できない事実です。
若い女性の抜け毛の背景には、ストレスによるホルモンバランスの崩れがあるとみるのは妥当でしょう。
ちなみに、5αDHTを抑制する「フィナステリド」は成人男性のみの適応で、男児や女性の服用は厳禁とされています。
ストレスといかに付き合うか、ストレスをいかに発散してやるか、ストレスをいかに取り除くかが抜け毛を解決させる方法と言えるでしょう。
まとめ
強いストレスがかかると、人は亜鉛不足や自律神経の乱れを起こし、結果として抜け毛を起こしてしまうことがあります。
ストレスそのものを取り除けば抜け毛を改善し、再び髪が生えてくるのを期待することはできます。
ストレスによる抜け毛が気になる場合は、育毛剤を使うのも方法ですが、ストレスそのものを取り除かない限り、抜け毛は進んでいく可能性もあるため、いたちごっことなってしまう恐れがあるので、できる限りストレス発散を心がけましょう。
近年、若い女性にストレス性の抜け毛が増えつつあるのは、ストレスによるホルモンバランスの乱れが原因と言われています。
男性型脱毛症に対して処方薬もありません。
ストレスはこのように抜け毛を起こすだけでなく、糖尿病やガンといった生命を脅かす病気も引き起こしたり悪化させると言われています。
くれぐれもストレスを溜めてしまわないように、生活に工夫を加えていきましょう。