抜け毛と毛根の関係について教えてください

2017.12.14

抜け毛は多くの日本人の悩みかと思います。
特に抜け毛は毛根と深く関わっていると思われている方が多いでしょう。
毛根は髪を作っている部分です。
ですから、毛根が機能しなくなると髪が生えてこないのでは、と考える方もいらっしゃる方と思います。

際にはそんなことはなく、毛根は毎日働き続けています。しかし、栄養状態が悪かったり毛穴に汚れや皮脂が詰まっていると髪の毛がそのぶん細くなってしまって、抜け毛があるわけでもないのにボリュームがなく見えてしまったりするわけです。
今回は毛根の働きや、抜け毛のメカニズムについてお話しします。

頭皮はしっかりと洗わなきゃ!

髪の毛ってどのくらいの本数があるのですか?

人間の髪の毛はおよそ10~12万本あると言われています。
成人の頭皮には約4万個ほどの毛穴があり、その毛穴から2~3本の毛が生えています。毛穴の数は増えたり減ったりしません。

毛穴の数は減らないのだから、毛穴の中にある毛球は毎日働き続けているわけです。髪のメカニズムが健全に機能していれば髪の数が減るはずはありません

ですが、現実には抜け毛を含む、髪のボリュームダウンを悩みとしてあげる方が多くいます。
本数に変化はないが、髪が細くなることが、ボリュームダウンを感じさせます
実は髪のボリュームダウンの主要因は老化と血行不良です。また、毛穴の汚れもボリュームダウンの原因のひとつとされています。

毛穴が汚れや老廃物でふさがると、髪は育てなくなり、細くならざるを得ません。この場合、相対的に髪の量が減って見えるでしょう。本来毛穴には2~3本の毛が生える、と言いましたが、毛穴が塞がって1本しか出てこられないということもあります。また多くは、1本の髪が細くなります。
そうすると実際、髪の量も減ります。

毛穴の汚れや詰まりが原因なら対処法は明確。ブラッシングとシャンプーの方法を見直して毛穴を清潔にして、本来の数だけ毛穴から髪を生やしましょう。

ブラッシングは歯ブラシくらい大切よ!

毛根の働きって何ですか?

そもそも毛根というのはどこを言うのでしょう。
毛根とは、髪の毛の、外に出てない部分です。つまり、髪の毛の、皮膚の中に埋まっている部分を「毛根」と呼びます。

成長期には毛根のさきに根元が丸く膨らみます。これを毛球といいます。毛球は球根のような形をしています。

毛球の中の「毛乳頭」が毛細血管の血液から髪の原料となる栄養、酸素を取り込んで「毛母細胞」に渡す役目をします。毛母細胞は細胞分裂を繰り返しながら髪を作ります。

胞分裂が活発に行われれば行われるほど、髪は育ちます。また、太くなります。

ヘアケアでは「頭皮の血行改善」を重要視しますが、その理由はこの毛母細胞にありました。

つまり、血行改善ができて血行が良くなれば、その分だけ髪の原料となる血液に含まれる栄養、酸素が取り込まれやすくなります。

栄養状態の良い血液が取り込まれれば取り込まれるほど、より健康な髪がよく育つというわけです。

毛球はいわば髪の「生産工場」ですが、原料である血液が充分に運ばれてこなかったり、髪の出口である毛穴が汚れでふさがってしまったりすると、毛球の稼働効率がダウンします。そうすると新たな髪がつくられにくくなってしまいます。
毛球の稼働状況が落ちているのを放置すると、最悪の場合は完全に生産工場の稼働が止まってしまいます。

脳が「もう生産を止めていいということだ」と誤った指令を出してしまうためです。
しかし、毛球が死滅することはありません。毛球はこの場合も眠ってしまっているだけです。頭皮を正しくメンテナンスしてトラブルを解消してあげれば、また張り切って働き始めるわけです。
日々こまめにメンテナンスをしてあげることが、毛球を働き者として働かせ続けるポイントなのです。

毛球は髪の生産工場!

髪の毛が抜けるのはなぜですか?

髪が自然に脱毛するのは、人体に備わっている自然のサイクルです。
代謝によって毎日100本程度の髪が抜けますが、そのぶん毎日新しい髪がつくり続けられています。

また、髪の自然脱毛サイクルには個人差はありますが、女性で4~6年、男性で2~5年と言われています。
男女で差があるのは、女性ホルモン・男性ホルモンの違いです。
この髪の、生えてから抜けるまでのヘアサイクルを毛周期と言います。毛周期は大きく3つの期間にわかれます。

人体に備わってる自然のサイクルを途中で止めないようにするのが正しい頭皮ケアというものです。
ちなみに、髪の成長速度は、個人差や人種差はありますが、私たち日本人を含む東アジア人の場合は年間11センチと言われています。
だいたい1日約0.2~0.3ミリ程度、髪が伸びているということになります。

毛周期には「成長期」「退行期」「休止期」という3つの期間が存在します。
成長期は毛母細胞が盛んに分裂して髪が成長する時期。退行期は毛球部が徐々に縮小し、毛母細胞の分裂が減少する時期。休止期は毛母細胞の分裂が停止し、成長が終わった髪が自然に脱毛する時期、です。

これが人体の代謝による自然脱毛のサイクルで、休止期のあとには必ず成長期が再びやってきて、髪はつくられ、成長していくのが普通です。

自然脱毛に対して「異常脱毛」も存在します。本来なら女性で4~6年、男性で2~5年の毛周期をもつ髪の毛が、何らかの理由で休止期を前に抜け落ちしてまうのが異常脱毛です。

自然に抜けた頭髪(無理に抜くと髪が切れたりして正確な判断ができません)の根元を見ると、それが自然脱毛なのか異常脱毛なのかわかると言われています。

自然脱毛による髪の毛の根元は、横幅のある楕円形をしています。棍棒や綿棒のような形をしている毛根をもつ抜け毛は、抜けるべくして抜けたものなのです。

一方で以下のような毛根をもつ抜け毛は注意が必要かもしれません。

・毛根が細い…毛根の膨らみは毛根の栄養状態とも言われています。毛根が細いのは髪が栄養失調になり抜けてしまったということ。異常脱毛の可能性があります。

・萎縮している…毛根が引きちぎられたように細く尖っていたりギザギザとしている場合や毛球先にしっぽのような付着物がついている場合は円形脱毛症による脱毛の可能性があります。円形脱毛症は自然治癒もすることもありますが、皮膚科に相談するとよいでしょう。

・毛根に皮脂が絡んでる…べっとりとした皮脂が付いている時は皮脂の異常分泌による異常脱毛かもしれません。

・糸のような毛根に半透明の塊が付着…無理に成長期毛を抜いた時に毛根に透明に付着したかたまりは外毛根鞘で、髪と皮膚をくっつける役割をしているものです。この毛根鞘自体は問題ではありません。問題は糸のような尖った形の毛根です。これは成長している最中の髪が何かしらの物理的なストレスがかかり、髪が引っ張られて抜けたり切れたりした状態をあらわしています。

・毛根が黒い…毛根が黒いということはまだまだ色素が供給されてる最中だったということ。つまり、成長中であったのに抜けてしまったということです。反対に、毛根の先端が白い場合、白髪かと心配される方もいますが、これは色素が供給されきって毛球の働きが休止期に入り、その結果黒くなれなかったわけですから心配することはないでしょう。

大丈夫かしら!

髪が抜ける部位の違いがあるのはなぜですか?

例えば男性の脱毛症に多いのは前頭部や頭頂部です。一方で女性の脱毛の悩みで、気になる部位をあげる人は「髪の分け目」でしたが全頭脱毛になる人は少なく、全体的にボリュームが減った、という方が多いように思われます。

これはなぜか。理由は「ホルモン」の分泌によるものです。

髪が生えてから抜けるまでのサイクルは女性と男性で異なりました。
この明らかな違いには「テストステロン」という男性ホルモンの働きが深く関わってきます。
このテストステロンは毛母細胞の分裂を促進させる作用があります。そのため、男性の髪の成長は早く、結果的にヘアサイクルが女性よりも短いのです。

テストステロンの影響をまともに受けるのが前頭部と頭頂部です。この結果、男性では前頭部と頭頂部に脱毛の悩みを抱える方が多いでしょう。

女性の場合も5~10%はテストステロンを分泌するので、ホルモン分泌による脱毛症が起きることはありますが、男性ほどではないため脱毛症、又は薄毛にまでいたることはないということです。

男性ホルモンや女性ホルモンの分泌による脱毛についてはこちら(「女性の抜け毛の簡単な改善法はありますか?」)でも説明しておりますので参考にしてください。

心配ない!

予防の方法ってありますか?

毛根をきちんと機能させて抜け毛を予防する方法はあるのでしょうか。
そのヒントは「毛根の働き」について前述した中にあります。
毛根の中にある髪の毛を生成し育てる「毛球」は休眠することはあれど、死ぬことはないと述べました。

ということは、休眠してしまったとしてもきちんとメンテナンスをしてやればまた目を覚ますわけです。
もっと言えば、休眠させないようにメンテナンスをし続けてやり、働き者の毛球をきちんと働かせ続けることが重要です。これが頭皮ケアです。スキンケアと同じように予防美容を行いましょう。

髪の毛をつくるためには、原料となる血液が欠かせません。
そのため、血行不足は髪の生成にとっては天敵でもあるわけです。
反対に言えば、血行を促進してやれば、毛球は元気になり髪をつくって育ててくれるわけです。
血行を促進するには、習慣化したブラッシングと正しいシャンプーを行うことが1番です。

また、マッサージも大切です。
ブラッシングは朝昼夕とシャンプーの前に行うのが良いでしょう。

血行がよくなると、頭皮にはもちろん効果がありますが、頭のコリや肩のコリ・張りが解消したという人も出てくると思います。

また、シャンプーは髪を洗うというよりは頭皮を洗うイメージで行いましょう。
こすらずに、指の腹や専用のブラシを使ってマッサージしながら洗いましょう。
頭皮をしっかり動かすことで毛穴の汚れを浮かし、血行も促進できます。また、優しく頭皮をマッサージするイメージでシャンプーを2回するとよいでしょう。この時のシャンプー剤は少量でかまいません。シャンプー前にブラッシングをしておくと、汚れがあらかじめ浮いているので、シャンプー剤は少なくても汚れはきちんと取れるでしょう。

ブラッシングの仕方については、こちら(「シャンプー時の抜け毛の原因は?」)も参考にしてください。

まとめ

日本人の髪のトラブルで悩みの第1位と言っても過言ではない「抜け毛」。
そんな抜け毛は、抜け落ちた髪の毛根を見ると自然脱毛か異常脱毛か分かるでしょう。
人体に備わった代謝による自然脱毛は、誰にでも起こるヘアサイクルですので、心配は無用です。
毛根の形が綺麗な楕円形でなかったり、皮脂が過剰についていたりする時は注意が必要かもしれません。

毛根、ひいては毛球は「髪の生産工場」。この生産工場はメンテナンスをきちんとしてやることで、休眠することなく元気に働き続けてくれます。

メンテナンスとは、血行を促進すること。
抜け毛予防のためにも毛根が血行不良にならないよう、習慣化したブラッシングと頭皮マッサージを含めたシャンプーを行うといいでしょう。