アミノ酸系シャンプーは良いと聞きますが何が良いのですか?
2017.12.19
ここ最近よく耳にする「アミノ酸系シャンプー」。アミノ酸系シャンプーは良いとされていますが、それでは何が良いのでしょうか。
アミノ酸とはタンパク質を作るもので、人間の体の20%をタンパク質が占めています。
アミノ酸系シャンプーとは、人体ととても近い成分でできているシャンプーなので、体ひいては頭皮や髪に優しいわけです。
本日は、そんな体に優しいアミノ酸系シャンプーについて、アミノ酸とは何なのか、洗浄力はあるのか、などについてお話しいたします。
アミノ酸って何ですか?
アミノ酸という言葉は色んなところで耳にします。
アミノ酸が繋がって出来上がったものがタンパク質です。
タンパク質というと、肉や卵、魚などを想像されますか? 我々人間の人体も約20%がタンパク質です。もっと言えば、人体の60%が水分ですから、水分を除いて考えると人体の固形の部分の半分はタンパク質でできています。
その数、なんと10万種以上。
血液もホルモンも筋肉も皮膚も骨も内臓も、タンパク質なしでは語れません。このタンパク質を作っているのがアミノ酸なのです。
20種類のアミノ酸が数百以上繋がり、タンパク質を構成し、そして人体を作っています。
美容成分でよく耳にする「コラーゲン」も、このアミノ酸が元となっています。皮膚を保湿しているのもアミノ酸(NMFという天然保湿因子)です。髪を保湿しキューティクルを保持するのもアミノ酸です。
また、髪を構成する大半の成分は「ケラチン」というタンパク質ですが、これも18種類のアミノ酸が集まってできたもの。
そう、アミノ酸は人体を作り上げるだけでなく、肌や髪を美しく保つためにも必要な成分なのです。
そんなアミノ酸が配合されているのが「アミノ酸系シャンプー」です。
アミノ酸系シャンプーは従来のシャンプー(高級アルコール系シャンプー)と何が違うのでしょう。
答えはそのまま「成分」です。
アミノ酸系シャンプーの主な成分はアミノ酸と脂肪酸です。この2つの成分が頭髪と頭皮を洗浄してくれるわけです。
アミノ酸は天然由来のもの、例えば大豆や絹成分やコラーゲンといったものから作られます。先ほども述べた通り、人体の大半を構成しているのもアミノ酸です。人体にとても近い存在ですから、人体に対しての影響も少なく、低刺激です。
肌の乾燥が気になる方や、髪の保湿が足りなくパサつくと感じる方、エイジングケアをしたい方に向いています。また、敏感肌の方や、頭皮のかゆみ・フケ・ベタつきなど頭皮トラブルを抱える方にも向いているでしょう。
エス・ハート・エス社のアミノ酸系シャンプー「薬用SHSスカルプシャンプー」は現役モデルも愛用している「アミノ酸系シャンプー」です。体と同じ成分であるアミノ酸の力で優しく毛穴や髪の汚れを落としてくれますから、皮脂を落としすぎることなく敏感肌や乾燥肌の人に、おすすめのシャンプーです。
界面活性剤が配合されているとどうなりますか?
界面活性剤とは、洗浄する成分のことです。世の中の石鹸や様々な洗剤には必ずこの界面活性剤が配合されています。
界面活性剤は水では落ちない汚れや脂質などを包み込んで落としやすくしてくれる存在で、様々な由来のものがあります。
例えば、天然由来(植物など)、昔ながらの石鹸、脂肪酸エステル、アミノ酸、石油です。
大きく分けると天然由来の界面活性剤と石油由来の界面活性剤の2つに大分されますが、従来のシャンプー(高級アルコール系シャンプー)は石油由来の界面活性剤で、アミノ酸系シャンプーは天然由来の界面活性剤になります。
界面活性剤が配合されていること自体は何も問題ではありません。
従来のシャンプー(高級アルコール系シャンプー)でよく話題にされるのが「ラウリル硫酸ナトリウム」「ラウレス硫酸ナトリウム」「ラウレス硫酸アンモニウム」ですが、これらは石油系の界面活性剤です。
よく話題にされるのは、これらの洗浄力が非常に強くて頭皮にトラブルが起きやすい界面活性剤だとされているからです。頭皮という皮膚からこれらの成分が吸収されて人体にも害があると説を唱える人もいます。人体への害については今のところ医学的な根拠はあまりないですが、洗浄力が強すぎて頭皮のかゆみが出ることがあります。
また、皮脂の取りすぎによるカサつき、皮脂を取りすぎることで反対に起きてしまう皮脂の過剰分泌などは実際に起こり得ることでしょう。
肌が弱いだとか、頭皮にトラブルを抱えがちな方は、今お使いのシャンプーにどんな界面活性剤が配合されているかを確認されるといいかと思います。
なお、アミノ酸の界面活性剤であれば「ココイルグルタミン酸」「ヤシ油脂肪酸」「ラウリン酸」「ミリスチン酸」などの表記が成分表から見てとれるかと思います。
参考になさってください。
頭皮はケアしないとね!
洗浄力が弱いと聞きますがどうなのですか?
高級アルコール系シャンプーは洗浄力が強いですが、アミノ酸系シャンプーは確かに洗浄力がは弱いです。
しかし、弱すぎるということはありません。
例えば、汗かきな人や、頭皮の脂分が過剰な人、ほこりなどを浴びてしまったという人はシャンプーを2~3回してもいいでしょう。
アミノ酸系シャンプーのデメリットでもある「洗浄力の弱さ」は、反対に言えば何回洗っても肌への刺激は少なくて済む、という点がメリットでもあるわけです。
従来のシャンプーに比べると確かに洗浄力は弱いかもしれませんが、つまりそれは「低刺激」であるということ。
今までは頭皮のかゆみやフケの多さ、頭皮の臭い、頭皮の乾燥や髪のパサつき、髪の傷みが気になっていた人は、実は今まで使っていたシャンプーの刺激が強すぎた、ということもあり得るかもしれません。
洗浄力が高すぎて必要な頭皮の脂分まで流れ落としていた可能性がありますし、それゆえ、保湿もできていなかったというわけです。
また、頭皮の脂分は取り除きすぎると体が「脂分が足りない」と反応してしまい、頭皮の脂を過剰分泌させてしまう可能性もあるのです。その結果、頭皮の臭いのトラブルや、髪のギトギト感につながっていることも…。
適度に頭皮の脂を落とすことで、頭皮をバリアのように守るべき脂分は残しておくことができ、その結果、頭皮環境を良いコンデションにできるわけです。
また、アミノ酸系シャンプーはただ髪を洗うだけでなく髪に成分が浸透しやすいとも言われていて、アミノ酸の力による保湿も期待できるでしょう。
洗浄力の低さが気になる・本当に洗えているのかと心配だという方は、是非ブラッシングしてからシャンプーをするという習慣を身につけてみてください。
あらかじめ髪の汚れを落とし、頭皮の汚れを浮かせて、また抜けそうな髪などを排除しておけるのでシャンプーの量も少なくて済みますよ。
これよりも洗浄力が強いの?
アミノ酸系でノンシリコンのシャンプーはありますか?
アミノ酸系シャンプーと同様によく耳にする「ノンシリコンシャンプー」。
ノンシリコンシャンプーとは、その名の通り「シリコンが入ってないシャンプー」のこと。
シリコンとはシリコンオイルのことで、このシリコンオイルは髪をコーティングしてくれます。その結果、艶のある髪になり、手触りも良くなります。
一方で、シリコンオイルは油ですから、頭皮になじんで毛穴を塞いでしまうという弊害もあります。毛穴を塞ぐと当然ですが、髪が生えてこなくなってしまいます。また、ニキビや吹き出物といった肌のトラブルに繋がることもあるとされています。
ノンシリコンシャンプーとは、そのようなシリコンオイルを配合していないシャンプーのことです。
アミノ酸系で、なおかつノンシリコンシャンプーは、低刺激で頭皮に付着するシリコンオイルを排除したシャンプーです。
これらのアミノ酸系ノンシリコンシャンプーは市販でも手に入れることができます。
ノンシリコンシャンプーには、ボリュームが出る・カラーリングやパーマのもちがよい・頭皮に優しい、といった特徴があります。
髪の毛が細くてボリュームが欲しい方や、カラーリングやパーマをよくするという方にはオススメです。
反対に、ボリュームを抑えたい方には向いていないかもしれません。また、ノンシリコンシャンプーには髪をコーティングするシリコンオイルが入っていないわけですから、きしみやすかったり、ドライヤーの熱に傷んだりしてしまうこともあります。
自身の髪の特徴を見極めて、使ってみるとよいでしょう。
まとめ
人体の大半を占めるのはタンパク質であり、そのタンパク質を構成するのは「アミノ酸」です。そのアミノ酸の力を使って洗浄するアミノ酸系シャンプーは、低刺激で頭髪や頭皮にトラブルを抱えている方にはよいでしょう。
洗浄力は従来のシャンプーに比べて落ちますが、2度洗いするとよいでしょう。また、シャンプー前にあらかじめブラッシングすれば、汚れを浮かせやすくなるのでシャンプーの量も少なくて済みます。
猫っ毛の方や、パーマ・カラーリングをよくする方は、併せて「ノンシリコン」のシャンプーを使うとよいでしょう。また、いくつかのシャンプー剤を髪の状態などで使いわけることもおすすめです。