髪にいい食べ物はなんですか?
2018.1.22
髪はからだの一部です。
からだは栄養が不足したり栄養のバランスが偏ると風邪をひきやすくなったり体調を崩しやすくなったり、場合によっては深刻な病を引き起こしたりします。
髪もそれは同じ。
髪を生やし育てているのは、血液=栄養。まさに、美髪は「食生活」=「食べ物」から、なのです。
バランスのとれた食生活は美しく艶やかな髪を育ててくれます。
今日は、髪と食生活の関係、髪に大切なタンパク質について、ミネラル・ビタミンといった栄養と髪の関わり、食べ物以外に気をつけることについて、お話いたします。
栄養バランスね!
タンパク質は髪にどのような影響を与えますか?
健全な発毛や育毛のために、必ず意識して摂取したい食べ物が「タンパク質」です。
なぜなら、髪の主成分はタンパク質だからです。タンパク質を充分に摂取することは、美髪になるために欠かせないことなのです。
タンパク質には動物性と植物性があります。動物性は肉や魚、卵に含まれ、植物性は小麦などの穀類、豆類、ナッツなどの種実類、野菜などにふくまれています。
特に植物性タンパク質、さらに言えば大豆類は動物性タンパク質に比べて栄養バランスがよく、体内への吸収効率が良いと言われています。
また、悪玉コレステロールにもなりにくく、カロリーも脂を含む肉類よりも低いため意識的に摂取したいところです。
タンパク質は髪を作るために役立つ成分です。
髪の毛は「ケラチン」という物質でできていますが、この原料となるのがタンパク質です。タンパク質を摂取しなければ、髪の原材料がないのと同じ。髪にとって基盤となるべきはタンパク質なのです。
タンパク質はもちろん、髪だけでなく爪や肌を生成するのにも役立ちますし、人間の臓器や筋肉、血液を作るために必要不可欠な食べ物です。
アミノ酸から形成されるタンパク質を食べればそれだけ髪の毛が作られるわけですから、悪いところはないようには思われますが、何事もバランスは大切です。
脂質を多く含む乳製品や肉類の場合、過剰摂取により高カロリー摂取になってしまうこともあります。また、コレステロールが上昇しすぎると、血中濃度が上がりすぎたり、いわゆる「ドロドロの血液」になってしまったりして血行不良になり、髪を太く育てることができなくなることもあります。特に乳製品や肉類といった動物性タンパク質は摂りすぎないように、先程ご紹介した豆腐や豆乳、納豆、味噌、枝豆といった植物性タンパク質を摂るように心掛けましょう。
バランスの良い食事が美髪をもたらすメニューの考え方については「女性用の育毛剤ってどんなのがあるの?」でもご紹介しています。併せてご覧ください。
植物性タンパク質
髪の栄養にはミネラル・ビタミンも必要ですか?
美髪を目指すためにタンパク質ばかりを食べていても、それはそれで栄養バランスは偏ってしまいます。
野菜や炭水化物もバランスよく摂り入れ、健康的なからだ作りを意識してください。
中でも、ミネラルやビタミンは美髪を保つために意識して摂取したいところです。
大豆類と併せて食べていただきたいもの。それはサバやイワシ、といった「青魚」です。
これらの青魚はタンパク質でもあるのですが、注目すべきは「ビタミンB群」の存在。
タンパク質やエネルギーの吸収を助けてくれる分解酵素が「ビタミンB群」です。
青魚には、ビタミンB6が多く含まれていることで知られています。
大豆類などのタンパク質と一緒に食べることで、よりタンパク質が体内に吸収されやすくなるわけです。
ただし、ビタミンB群は水溶性ビタミンと呼ばれ、水に溶け出し、熱で壊れやすい性質があります。実は生で食べるのが1番良いのです。煮魚にする場合は、ぜひ煮汁ごといただきましょう。
ビタミンB群には、以下のようなものがあります。参考にし、毎日の食事の中に摂り入れていきましょう。
・ビタミンB1…穀類の胚芽、豚肉、レバー、豆腐など
・ビタミンB2…レバー、卵、大豆、乳製品、葉菜類など
・ビタミンB6…カツオ、マグロ、サバ、イワシなどの魚類、レバー、肉など
・ビタミンB12…魚介類、レバーなど
髪にいいといえば「わかめ」というイメージがありますが、わかめやひじきには実際に美髪に欠かせない「ミネラル」が豊富に含まれています。
ミネラル、という言葉、聞いたことあるけれどビタミンとは違うの? そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。
ミネラルとは、生命活動をする上で必須の元素のことで、無機物とも呼ばれています。体内で作ることはできないため、毎日の食事から取る必要があり、欠乏しても過剰に摂り過ぎても良くないものです。
特に日本では、亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・鉄・リン・ヨウ素・ナトリウム・セレン・銅・モリブデン・マンガン・マグネシウムの13元素が食事摂取基準の対象として厚生労働省により定められています。
髪に必要とされるミネラルは、亜鉛・マグネシウム・ヨウ素・ケイ素・銅の5つです。
ミネラルは海藻類に多いという認識をされる方が多いかもしれませんが、ミネラルを含むのは海藻類ばかりではないという事実があります。
新陳代謝を活発にする亜鉛は卵・牛肉・豚レバーに含まれています。
マグネシウムは抜け毛を減らす効果があり、欠乏すると円形脱毛症の原因になります。海藻類はもちろんのことブロッコリーやアボガド、ナッツ類に含まれています。
亜鉛とマグネシウムを見ても、必ずしも海藻類に含有されているとは限らないわけです。
残りの、髪に必要なミネラルについても見てみましょう。
・ヨウ素…代謝を促進し、髪ツヤをよくする甲状腺ホルモンの合成を行ってくれます。海草やオクラ、山芋や納豆に含まれています。
・ケイ素…育毛に効果的なコラーゲンを束ね、髪を丈夫にしてくれます。ほうれん草や豆類、雑穀や玄米に含まれています。
・銅…不足するとメラニン生成を阻害し、白髪の原因になります。穀物類や芋、豆類に含まれています。
髪にいいからと、無理してわかめサラダばかり食べている…そのような食生活は偏食そのもので、かえってからだによくありません。
様々な食材を適量ずつバランスよく摂取できるのが髪にも望ましい食生活と言えます。
また、サプリメントを適度に用いることも有効です。
昆布がいいわね!
食べ物以外に気をつけることは?
べ物以外で、日常生活の中で気をつけるべきことはあるでしょうか。
髪や頭皮に対して、やはりストレスは禁物です。ストレスをためない、ストレスを発散させる、適度な運動を取り入れる、などのストレスをためない生活を心がけましょう。
人間の自律神経には「交感神経」と「副交感神経」がありますが、緊張状態にあったり活発に動いていたり強いストレスを受けると「交感神経」が働きます。反対に、「副交感神経」は心身をリラックスさせ、休息させるのが役目です。筋肉をゆるめて血管を広げ、栄養や酸素が全身に行き渡るようにします。
この「副交感神経」が充分に働いている時に髪に栄養が行き渡り、健全な発毛と育毛が行われるわけです。
副交感神経が存分に働くのは心身が最もリラックスしている時。それは、真夜中の睡眠時です。
午後10時から午前2時の深夜帯を「ゴールデンタイム」と呼びます。
この時間帯は髪にとって最も大切な時間。
心身ともにリラックスして、健康な髪をつくることを心がけましょう。
過労や睡眠不足、過度のストレスなどによって意思と無関係に働く副交感神経の働きを無理やりに抑え込んでしまうのはとても危険なことです。血行を悪化させ、髪にも深刻な悪影響を及ぼします。
リラックスして過ごすことが、髪にはとてもよい「栄養」になるわけです。
まとめ
髪を生やし、育てるのは栄養ですが、それらの栄養はからだにも必要なものです。
偏らないよう、タンパク質を意識して摂るようにしましょう。特に植物性タンパク質は低コレステロールで低脂質、カロリーも肉に比べて低いので、豆腐や納豆、味噌といった大豆由来のタンパク質を摂れるとよいでしょう。
タンパク質の他にも、ビタミンやミネラルも意識をしたいところです。
髪にいいビタミンはビタミンB群、髪にいいミネラルは5種類あります。
偏って同じものばかり摂取するのでなく、それらの成分を含んだ様々な食材を適切に摂りましょう。
また、食べ物だけでなく、心身ともにリラックスできる「ゴールデンタイム」には、しっかりとからだを休め、リラックスすることが大切です。
食べ物も、生活も、バランスよく偏らないようにするのが、美髪への道です。