抜け毛がひどいのは病気でしょうか?

2018.5.27

抜け毛が気になる、という悩みを抱える方は多いかと思います。
特に、抜け毛がひどいと感じる時は、シャンプー時に手にまとわりつく抜けた髪を見たときや、起床時のマクラに落ちている抜けた髪を見つけた時、ブラッシングの際にブラシに付着した抜け毛を見た時などではないでしょうか。

抜け毛がひどく、もしかして病気では? と思うこともあるかもしれません。
抜け毛がひどい、その原因の裏には病気が隠れていることももちろんあります。

そもそも抜け毛の原因は何なのでしょうか? 急に抜け毛になるのはなぜなのでしょうか? 病気との因果関係は?

今日は抜け毛と、抜け毛がひどい場合の病気との関係についてお話しします。

抜け毛は病気のサインなの?

抜け毛の原因は何でしょうか?

そもそも抜け毛の原因は何なのでしょうか?

自然に抜けた毛のことを「自然脱毛」といいます。これは正常なヘアサイクルによるもので、単純に髪の毛が寿命を終えて自然と抜けた毛です。これは、頭髪に限らず、体毛全てに起こる自然な現象です。
シャンプー時の抜け毛が気になる方も多いかもしれませんが、毛の大半は寿命を迎えた髪の毛だったりします。

髪の毛は1日100本前後は自然と抜けており、季節やタイミングにより通常の1.5倍程度増えて抜けることもありますので、気にしすぎなくてもよいとされています。

ただ、自然脱毛以外を、いわゆる異常脱毛としており、異常脱毛による抜け毛は要注意です。
異常脱毛による抜け毛にはどのようなものがあるのでしょうか。見ていきましょう。

男性ホルモンによるもの

性ホルモン(テストステロン)が代謝によってジヒドロテストロン(5αDHT)に変成すると、毛母細胞の分裂が阻害され、皮脂を過剰に分泌して毛穴を詰まらせたりして、薄毛や脱毛が起こります。テストステロンは女性もわずかながら分泌しているホルモンですから、女性にも起こり得る抜け毛です。

血行不良や栄養不良

髪の原料は栄養であり、栄養は血液に乗って髪の生産工場である「毛球」に運ばれます。
毛球の中の毛乳頭が毛細血管から髪の原料となる血液を取り込んで毛母細胞に渡し、そこで細胞分裂を繰り返しながら髪が作られていきます。

しかし、血行不良・栄養不良になると髪の原料が不足することになりますから、新たに髪は作られなくなります。その結果、髪の生産が
ストップして、正常なサイクルより前倒しで脱毛を起こしてしまったり、新たに髪が生えてこなかったりします。

毛穴の詰まりや頭皮環境の悪化

頭皮環境が悪く、汚れや皮脂で毛穴が詰まるなどすると、髪の出口が塞がれてしまいます。その結果、毛球の稼働効率がダウンし、新たな髪が作られなかったり髪のサイクルが短縮化されて抜け毛が発生したりします。

ブラッシングは抜け毛予防にもなるのよ!

病気と関係あるのでしょうか?

自然脱毛による抜け毛は誰にでも起こる現象ですが、それでは異常脱毛と病気はどんな関係があるのでしょうか。

抜け毛が起こりやすい病気は以下の通りです。もちろん、これ以外の病気でも抜け毛が起こることはあり得ますから、異変を感じたら医療機関で相談されることをお勧めします。
・膠原病
・甲状腺機能低下症
・卵巣嚢腫
・鉄欠乏性貧血
・脂漏性皮膚炎

など。

その他にも
:円形脱毛症
:抗がん剤治療中の方など、まとまって髪がたくさん抜ける場合は要注意です。医療機関で相談することをおすすめします。

膠原病

膠原病は病名のように思われがちですが、免疫系疾患の総称です。
全身性エリテマトーデスや、リウマチ、強皮症などがあげられます。代表的な全身性エリテマトーデスは、脱毛症状がよく見られることで有名です。

1万人に1人の割合で発症すると言われているのが膠原病で、男性に比べると女性の方が発症率が高いとされていますが、病気の原因は現代医学ではまだ明らかになっていません。

全身の循環が低下することで、体の隅々まで栄養がいかず、その結果栄養不足になって、抜け毛を引き起こすともいわれています。

また、膠原病の処方薬として使用されるステロイドの副作用にも、抜け毛があげられます。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺機能が低下し甲状腺ホルモンの分泌が少なくなる病気です。

甲状腺ホルモンは我々ヒトの体に無数にある細胞を活性化する働きがありますから、甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、髪の毛を作る毛母細胞の細胞分裂も行われにくくなります。その結果、抜け毛が進んでしまうという症状が出ます。

卵巣嚢腫

卵巣嚢腫は、女性に起こる疾患です。卵巣の中に液体や脂肪など本来あるはずのないものが溜まることにより、卵巣が腫れてしまう病気です。

卵巣が腫れると、女性ホルモンの分泌が減少します。ホルモンバランスが崩れるため、抜け毛が起きるという特徴があります。

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は、貧血の中でも鉄分が体内に不足することで起こる貧血のことです。

女性の10%が鉄欠乏性貧血に悩まされているというデータもあるほど、発生しやすい貧血です。

赤血球の成分であるヘモグロビンの原材料である鉄が不足することで起こる貧血ですので、当然ながら頭皮にも赤血球、つまり血液が供給されにくくなります。その結果、抜け毛が増えるという症状が出ます。

女性の場合は月経により過剰な出血が毎月ありますから、鉄欠乏性貧血になりやすいと言えます。他にも過剰なダイエットによる栄養素不足や、妊娠・授乳による鉄分不足も考えられます。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は脂漏性湿疹とも呼ばれる皮膚疾患のひとつです。

脂漏性皮膚炎は皮脂の過剰な分泌により、皮膚の常在菌であるマラセチア菌が異常に増え、それにより発症します。

脂漏性皮膚炎が頭皮で起こると、毛穴にまで炎症が進んでしまい、抜け毛を引き起こしてしまいます。男性に多い皮膚炎とされていますが、女性もストレスや生活習慣の悪化などでホルモンバランスが崩れるなどすると、皮脂が過剰分泌して起こり得る病気です。

他にも、精神的なストレスから血行不良が起こり、抜け毛につながることもあります。また、栄養が失調することでも、抜け毛は増えます。

病気は勘弁して!

急に抜け毛になるのはなぜですか?

病気による抜け毛は、突然始まると思われがちです。
しかし、ホルモンバランスの乱れや血行不良、栄養不良、頭皮の環境悪化に繋がった結果、抜け毛が起こるのがどの病気にも言えることですから、ひどい抜け毛が起こる前には必ず、何かしらのSOSを体は発信してると考えていいでしょう。

鏡に毎日向かっていると、髪の質が変化したことを自覚することがあるでしょう。
髪は1日で作り上げられるものではなく、数ヶ月から数年かけて今の長さになっているので、髪質が突然変わるということは考えにくいものです。

少し気になることがあれば、まずは2~4ヶ月前の生活を振り返ってみてください
過剰なダイエットをしなかったか? 外食やレトルト加工食品などに偏ってなかったか? 睡眠不足ではなかったか? ストレスはどうか? シャンプーやトリートメントを変えていないか? …など。
もし、思い当たることがあれば、それは過去の生活習慣が髪質に悪影響を出しているということです。

好ましくない変化が現れた時は、早く対策すると、髪質は戻ります。そのためにも、ぜひ毎日のブラッシングを習慣化し、小さな変化を気にかけていただきたいです。小さな変化が抜け毛につながる病気を見つけるきっかけになることもあるでしょう。
また、ブラッシングの習慣化そのものも、髪にとっては有効なケアとなります。

ブラッシングは習慣にしないとね!

頭皮のかゆみも関係あるのでしょうか?

皮は、何らかの理由でダメージを受けると、かゆみという形でSOSのサインを出すことがあります。例えば、白髪が生えると頭皮がむず痒くなる、と言う人もいるほど、髪の変化と頭皮のかゆみは密接に関わっています。

かゆみが起こる原因は血行不良、乾燥や頭皮の炎症、頭皮の細菌繁殖、生活習慣の乱れ、ストレス、アレルギー、ビタミン不足、皮膚炎などの病気が考えられます。

健康な髪であれば、頭皮ももちろん健康なわけですから、かゆみのサインが出ることはありません。

また、かゆみが出ると、ついつい頭皮をかきむしってしまったりもします。そうすると、二次被害的に傷になったり、ひどくなると化膿したりもするかのうけいがあります。

かゆみがひどい時は、皮膚炎などの病気の疑いもありますから、医療機関に相談すると良いでしょう。
かゆみを放っておくということは、何かしらの頭皮のトラブルを抱えたままにしておくということですから、そのトラブルが発展すると、抜け毛につながることも充分に考えられます。

また、毛染めをした時にヒリヒリムズムズするようであれば、それはアレルギーのサインであることが考えられます。

特に40歳を過ぎると、年齢とともにホルモンバランスが変化して体質が変わり、今までは何ともなかったヘアカラーで、ある時突然アレルギー反応が出てしまうこともあるのです。使い慣れたヘアカラー剤でも、ひどい場合には全身性の急性過敏症(アナフィラキシーショック)を起こすこともありますので、パッチテストをしてリスク低減に努めましょう。
ヒリヒリムズムズを放置しておくと、皮膚炎、抜け毛に発展することもあります。

まとめ

抜け毛に悩まされている方は多くいらっしゃると思います。

寿命を終えて自然に脱毛する毛髪は1日に100本前後。シャンプー時やブラッシング時に気になるという方も多いでしょうが、日常的に抜けている量であれば、問題はありません。

ホルモンバランスの乱れや血行不良、栄養不良などで異常脱毛が起こるのが問題です。また、膠原病や鉄欠乏性貧血といった病気を発症すると、抜け毛が増える症状が出ることがあります。

髪質が変わったり、頭皮にかゆみなどの変化があったりするとき、それは4ヶ月ほど前の何かしらのトラブルが髪にSOSのサインを出しているということ。
毎日の変化を知るためにも、ブラッシングを習慣化できるといいですね。
異常脱毛が過剰に起きていると感じた時は、専門の医療機関などに相談しましょう。