頭皮の皮脂汚れを落とすにはどうすればいいの?
2018.7.30
ベタつきや嫌な臭いの原因になる「頭皮の皮脂」。頭皮も肌ですから、乾燥からお肌を守るためにも、適度な皮脂が必要です。
しかし、過剰に分泌された皮脂による汚れは頭皮や髪のトラブルにつながることも…。
頭皮の皮脂は地肌や髪を乾燥から防ぐために存在し、雑菌や病原菌から肌を守ってくれる常在菌の餌にもなるものです。つまり、頭皮にとっては欠かせないものと言えます。
しかし、食生活や生活習慣などでその皮脂の量は個人差が出るため、髪や頭皮にトラブルが起こるほどの皮脂が分泌されてしまうこともあります。
今日は、頭皮の皮脂はどんな役割を担っているのか、皮脂分泌の個人差はなぜあるのか、シャンプーの回数や種類、方法はどのようにするのがいいのか、についてお話しいたします。
頭皮のケアはブラッシングでね!
頭皮の皮脂はなぜできるの?
そもそも、皮脂の役割とはなんなのでしょうか。
皮脂は、頭皮に限らず肌や髪を乾燥から防ぐバリアとして機能しています。毛穴にある皮脂腺から分泌され、皮膚や体毛の表面に薄く、膜のように広がります。
皮脂の成分はグリセリン脂肪酸エステルといわれるものです。
皮脂は肌や髪を乾燥から防ぎ、保湿していますが、働きはそれだけではありません。
皮脂は皮膚にいる常在菌の餌になります。常在菌は皮膚に常にいて外からやってくる病原菌や雑菌から守ってくれる存在です。
常在菌は皮脂を餌にすることで結果的に肌を弱酸性にし、よくない菌からお肌を守っているわけです。
この皮脂の元となるのは、経口から摂取した脂質や糖質が中心です。脂質を多く含む肉類や、砂糖がたっぷり使われているお菓子などを過剰に摂るなどすると、皮脂が多く分泌されやすくなるでしょう。オイリー肌の方で、揚げ物や肉類、甘いものが好きでよく口にするという方は少なくありません。
皮脂は体が健康に機能している時はもちろん、肌が乾燥した時だけでなくストレスがかかった際にも分泌されやすくなります。今まではオイリー肌に悩まされたことはなかったのに突然頭皮がベタつくようになった、やけに肌がオイリーになった、というふうに肌や髪の質が突然変わった方はストレスが原因であることもあります。
皮脂腺は体毛1本に対してそれぞれ存在しており、体毛のあるところには皮脂は存在します。反対に体毛のない手のひらや足の裏といったところには皮脂は分泌されません。また、分泌量は皮脂腺が発達しているかどうかで変わってきます。
皮脂腺が最も多いのは、体毛が多い場所つまり頭皮ですから、頭皮は当然ながら他の部位に比べて皮脂が多く分泌されます。
頭皮は皮脂腺が多いのか!
個人差があるのはなぜ?
皮脂の量が多くてオイリー肌の人もいれば、潤いが足りなくて乾燥肌に悩む方もいます。
なぜ皮脂の分泌量には個人差があるのでしょうか。それは「食生活」と「ストレス」、「ホルモン」「年齢」や「気温」が関わってきます。
皮脂の分泌量は、気温が高くなると増加します。また、気温の高くなる夏は皮脂が出やすく、ベタつきや臭いの原因となります。
性別での差は、男性の方が皮脂の分泌量が多くなります。
皮脂は思春期から分泌量を増やしますから、20代前半をピークに、そこからは減少していきます。思春期の男子がニキビに悩まされるのも、女性が閉経した後に肌荒れやシワに悩むのも、年齢差による皮脂の分泌量が関係しています。
皮脂の分泌量が最も左右されるのは食生活と言えます。
前述したように、オイリー肌の方は脂っこいものや甘いものを好む傾向にあり、脂質や糖質が皮脂の分泌に関わっていることがわかります。
また、脂質と糖質のみならず、栄養が偏りがちな人も皮脂の分泌は過剰傾向にあります。さらに、食品の添加物や化学物質などが多く含まれている、いわゆる「加工食品」を多く摂取する人も皮脂の分泌量が増えやすいでしょう。
揚げ物はもちろん皮脂の分泌量を増やしますが、肉料理を好む人にもオイリーな肌になる傾向があります。
肉は適度に摂る分には髪や体を作ってくれるので大事な成分と言えますが、過剰摂取する事で余分な脂分が中性脂肪に変化し、結果として皮脂となるのです。
日頃から皮脂の分泌量が多いと感じる方や、オイリー肌に悩まされている方は、食生活をまず見直すと良いでしょう。
動物性タンパク質をなるべく植物性タンパク質に切り替える、洋食を和食にする、野菜を多く摂るようにする、脂っこい揚げ物などを控える、砂糖をたくさん使った菓子類からそれ以外のものを間食のお供にする、加工食品をなるべく控える、水分をよく摂取するというような工夫をしましょう。
肉よりも野菜よ!
シャンプーの回数を増やせばいいの?
皮脂のベタつきや嫌な臭いを理由に、1日に何度もシャンプーをする人がいますが、それは結論から言うと「ダメ」です。
皮脂は肌のバリア機能を担っています。洗いすぎると地肌から皮脂が取り除かれすぎる「脱脂」の状態になります。すると、肌が乾燥しすぎて敏感肌となり、ひどい場合には皮膚炎に発展することもあります。そして、なぜか、反対に皮脂が増えすぎることもあるのです。
なぜ、脱脂の状態になるのに皮脂が増えすぎるのでしょうか。
皮脂は肌を守るバリア機能を担っていますが、脱脂が過ぎると体が反応して、バリア機能が失われた! もっともっと皮脂を出して肌を外的ストレスから守らなければ! と皮脂を過剰に分泌してしまうからです。
こうなると、皮脂を落とすつもりで1日に何度もシャンプーをしているのに、皮脂はどんどん増えていく…結果として髪のトラブルに発展していくわけです。
シャンプーをこまめにしているのに皮脂が多い、という悩みを抱えられている方の中には、シャンプーのしすぎが原因の方もいらっしゃるでしょう。
シャンプーは、1日1回2度洗いを「夜に」行うようにしましょう。
2度洗いすることでシャンプー剤は少なくて済みますし、2度洗いすることで頭皮の汚れや脂をきちんと落とすことができます。
夜にシャンプーした方がいい理由はのちほどご説明いたしますね。
シャンプーし過ぎもダメなんだ!
洗浄力の強いシャンプーがいいの?
皮脂をすっきりと洗い流したい。だから洗浄力の強いシャンプーをたくさん使ってごしごし洗い、皮脂を流したい! と思われる方も多いことでしょう。
洗浄力の強いシャンプーとは、いわゆる高級アルコール系シャンプー(従来のシャンプー)がそれに当たります。高級アルコール系シャンプーを使うこと自体をダメとは言いませんが、洗浄力の強いシャンプーを使っていることによって、脱脂されすぎて体が反応し、皮脂を過剰に分泌している可能性もあります。
肌への負担も考えると、アミノ酸系シャンプーと呼ばれるシャンプーがおすすめです。
アミノ酸系シャンプーは体や髪の成分に近いアミノ酸で汚れを落とすシャンプーです。洗浄力は高級アルコール系シャンプーに比べると劣りますが、髪の汚れそのものはお湯で洗い流す時に充分に落とせます。
また、先ほど説明した「2度洗い」をすることで洗浄力の弱いシャンプーでも頭皮の汚れや無駄な脂は充分落ちます。
2度洗いのシャンプーでは、髪を洗うというよりは「頭皮をマッサージする」「頭皮の脂や汚れを揉み出す」イメージでシャンプーするといいでしょう。
爪でガシガシと洗うのではなく、指の腹で揉むようにしてマッサージしながら汚れを揉み出す洗い方を行なってください。
また、シャンプーを流すときは、頭皮を中心に、これでもかというくらい洗い流してください。シャンプーに1分の時間をかけたなら、その2倍の2分の時間をかけて洗い流すようにしましょう。
これにより、無駄な皮脂は洗い流すことができます。
エス・ハート・エス社の薬用SHSシャンプー
なら、皮脂を取りすぎず残しすぎず、バリア機能がきちんと働く適量の皮脂を髪に残して汚れをきちんと取り除いてくれます。どんな肌の方にもお使いいただきやすいアミノ酸系シャンプーです。是非、お試しください。
美容室で洗うようにやさしくね!!
朝と夜どちらに洗うのがいいの?
毎日シャンプーしているのに髪がベタつく。そんなお悩みを抱える方もいらっしゃることでしょう。
毎日シャンプーしているのに皮脂でのベタつきが気になる方は、朝にシャンプーしていませんか?
人間の肌は、原則的に我々が眠っている間に活動が行われています。夜に髪を洗うということはその日1日の汚れをきちんと落として、清潔な地肌と髪で寝るということです。
夜にシャンプーをしないということは、その日の汚れやその日に大量に出ている皮脂を落とさないままにしているのと同じです。頭皮の状態を夜にシャンプーをしてリセットすることは、正常なサイクルを促すことにも繋がるのです。
また、髪がいつ毛穴から伸びるかご存知でしょうか?
実は、夜はしっかり細胞分裂をして髪が生えるスタンバイをし、夜中の3時〜朝9時ごろ
にかけて、毛穴から髪が伸びると言われています。
そして、毛穴から髪が出る際、毛穴はたるみます。
朝方にかけて、毛穴から髪が伸びるということは、毛穴もたるんだ状態なので、髪の固着力も弱まっていて髪も抜けやすい状況であると言えます。
そんな朝に、シャンプーをすると、毛穴から合成の洗剤が入りやすく、刺激も与えるので余計に髪が抜けやすくなる傾向にあります。
朝のシャンプー習慣は髪が脱毛しやすくなると言っても過言ではありません。
ですから、シャンプーは夜に是非行ってください。
お仕事柄、また、皮脂や汗汚れがどうしても気になり朝のシャンプーが不可欠だという方は、
シャンプー剤の量を減らすまたは、シャンプー剤は使わない、すすぎをとにかく「しっかりしっかりしっかり」する、など工夫しましょう。
まとめ
皮脂は肌や髪にとっては外的ストレスから守ってくれるバリアですので、なくてはならないものです。
ですが、シャンプーをしすぎて脱脂してしまうと過剰に分泌されることもあります。皮脂を気にしすぎてシャンプーの回数が多い方は、まずは脱脂のしすぎを見直しましょう。洗浄力の強いシャンプーを使うのではなく、洗浄力の弱いアミノ酸系シャンプーを使うのも方法です。
また、皮脂の分泌には年齢や性別、気温が関係してきますが、大きな違いは「食生活」です。皮脂の分泌が多くてオイリー肌であることをお悩みの方は、和食中心の脂っこいものが少ない料理を食べることを心がけましょう。甘すぎる菓子類なども皮脂分泌を増やす原因となります。
シャンプーは夜に1日1回2度洗いを心がけましょう。朝シャンの習慣はあまり良くありません。1日の汚れはその日のうちに洗い流しましょう。